2014年12月5日金曜日

海外ウェディング組数と海外渡航人数の関係性は ~中国人向けビザ緩和の流れ

11月のAPEC首脳会議でオバマ大統領が中国人向けビザの発給要件緩和を表明しました。

米、中国人のビザ発給要件緩和

ついに、やっとアメリカも。アメリカ国内の観光業界は欣喜雀躍ですね。

最近3年ほどで世界の主要50か国以上の政府が、中国人観光客の取り込みを狙ってビザ要件を緩和してきました。

この流れの中でアメリカ政府だけが何の動きも見せていなかったので、今回の発表は「ついに」「やっと」というわけです。

背景としては、やはり政治というより経済の観点で機会損失を看過できなくなったのでしょう。

世界の海外旅行者、10人に1人は中国人


さてここから本題ですが、「海外渡航人数」と「海外ウェディング組数」と、その増加はダイレクトに比例するでしょうか?

以下は日本の例です。

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出典 海外渡航人数:JNTO
出典 海外ウェディング組数:ワタベウェディング

日本人の海外ウェディング組数が最も急激に伸びた時期は、1992年から1996年の5年間で、その組数は14000組から41000組へとほぼ3倍になりました。

一方で、海外渡航人数が急激に伸びたのは、遡ること5年、1986年から1990年の5年間でした。まさにバブル経済の時期ですね。

これは何を意味するのでしょうか。

観光旅行やビジネス渡航は経済水準にリンクして推移します。しかしウェディングは社会的な活動なので、それほど単純ではないと解釈できます。

たとえば、

■ 本人たちの海外旅行経験。大切な結婚式を海外で実施することへの不安解消。

■ 両親や周囲の理解、合意、さらには勧奨。

■ 本人のみならず、親類や友人など列席者の全員が不安感なく、ビザも入手できて、海外に渡航できる状況。

■ 経済発展にともなう文化の多様化の浸透。(伝統に束縛されない結婚式スタイルの受け入れ)

・・・ などの条件が満たされて初めて、海外ウェディングが通常の海外渡航と同様に普及するのではないでしょうか。

ちなみに2000年以降は、日本人の海外ウェディング組数はさほどの増減なく、現在も40000前後だそうです。これは年間婚姻数の6%にあたります。


『海外ウェディング組数はワンテンポ遅れて伸びる』ということを踏まえて、中国の状況を見てみます。

まず中国の海外渡航人数を以下に示します。

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出典 中国国家旅游局

2010年から特に急激に伸びています。2014年は初めて1億人の大台に乗ります。

一方で海外ウェディングの普及は始まったばかりです。公式な統計が見つからないのですが、弊社独自の推計では、年間27000組ほどと見ています。この数字は年間婚姻数の0.2%にあたります。

中国の海外ウェディングはまだブレイクしていません。しかし海外渡航人数がブレイクして4年が経っています。さらにビザ要件緩和の追い風が加速します。

日本との比較を整理すると、2014年の推計では、

中国の海外ウェディング 27000組 年間婚姻数の0.2%
日本の海外ウェディング 40000組 年間婚姻数の6.0%

です。来年2015年には組数が逆転しそうです。

さらに3年後の2018年には、中国では130,000組(年間婚姻数の1%)となり、組数では日本の3倍以上となるでしょう。

こう予測できるのは、特に2010年以降に多くの中国人が海外渡航を経験した蓄積があるからです。

さらに長期的観点では、「ビザ要件緩和」ではなく、日本人と同様に「ほぼビザ不要」となるかもしれません。仮にそうなったら、以下が現実味を帯びてきます。

年間婚姻数の6%(日本と同じ) ・・・780,000組(日本の20倍)
年間婚姻数の18%(イギリスと同じ) ・・・2,340,000組(日本の60倍)


『海外ウェディング組数はワンテンポ遅れて伸びる』というわけで、来年あたりから、「ウェディング」の巨大な波が中国から世界各地へと広がりそうです。


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